
WebマーケティングやWeb広告市場の急成長に伴い、Web広告の運用者として働きたいと検討している人が増えてきました。しかし、Web広告運用者は具体的にどのような業務を行っているのか知らない人も少なくありません。
そこで本記事では、Web広告運用者が実際に行っている仕事内容やWeb広告運用において必要なスキルなどを解説します。Web広告運用者になりたい人やWeb広告運用についての知識を深めたい人はぜひ最後までご覧ください。
- Web広告運用の仕事内容が分かる
- どんな人がWeb広告運用に向いているか分かる
Web広告運用の仕事が注目されている理由
最近では、Web広告運用の仕事が注目されていますが、その最も大きな理由はWeb広告市場の急成長です。
株式会社電通が調査した「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、Web広告は2兆7,052億円に達し、マスメディア広告を初めて上回ったことが明らかとなりました。
新型コロナウイルスの影響によって、外出が自粛されるようになったことも、このマスメディア広告からWeb広告への移行に拍車をかけています。SNSやYouTubeなどの動画プラットフォームを利用する人が増加したことで、多くの企業はWeb広告を利用して集客や売上を伸ばすようになったのです。
今後もWeb広告はマスメディア広告に比べて低予算で出稿することができて、費用対効果も高いので、今後も需要が高まることが予想されます。
それに比例して、Web広告運用者が注目されるようになりました。現在はWeb広告運用者の採用を積極的に行っている企業も少なくありません。
Web広告運用者の仕事内容
Web広告運用者の仕事内容を大きく分類すると以下の4つです。
- 企画
- 広告の入稿作業
- データの分析
- 改善・レポーティング
順番に解説します。
企画
マーケティング戦略や方針に基づいて、Web広告を配信する上でのKGI/KPIの決定、媒体選定や予算の設定・スケジュール調整などを行います。媒体によって利用するユーザー層が異なります。



広告の企画の精度や粒度がWeb広告の成果を決定すると言っても過言ではありません。特に重要なフェーズとなるので、運用責任者や経験豊富なスペシャリストクラスの人が行うことが多いです。
広告の入稿作業
実際に配信する広告の入稿作業を行います。
例えばリスティング広告の場合には、キーワードや広告文などを決めて入稿します。
ディスプレイ広告やSNS広告の場合は、配信ターゲットの設定や広告に利用するバナー画像の入稿が必要になります。
配信するWeb広告の媒体によって管理画面や入力方法なども異なるので、媒体ごとの操作方法や特徴などを知っておく必要があります。
データの分析
配信した広告のデータを分析します。
分析するデータは、クリック数やコンバージョン率・インプレッション数などさまざまです。配信するWeb広告によって分析するデータも異なるので、Web広告におけるそれぞれの特徴を把握する必要があります。
各広告管理画面やGoogle Analyticsなどの分析ツールを使用して分析するのが一般的です。
改善・レポーティング
データの分析が終わったら、実際にそれをもとに改善施策を行っていきます。
Web広告の項目は豊富にあります。そのため、データの分析結果を基に、優先順位をつけて改善していきます。
改善が完了したら、再度広告を配信してみましょう。PDCAを繰り返すことによって、費用対効果を最大限にまで高めることができます。
また、その日のWeb広告運用が終了したら、その日の運用結果をまとめて、クライアントや上長に報告することもあり、そのレポート作成も広告運用の仕事内容に含まれます。
Web広告の種類
Web広告運用をしていくのであれば、Web広告の知識が必要不可欠です。
細かくは様々な種類の広告がありますが、主な4種類の広告をご紹介します。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- 動画広告
リスティング広告
リスティング広告は、GoogleやYahooなどの検索エンジンにおいて、ユーザーが検索したキーワードによって配信される広告です。
例えば化粧品会社の企業が「化粧品 おすすめ」というキーワードを設定したとします。その後、ユーザーが「化粧品 おすすめ」とGoogleやYahooで検索した場合、化粧品会社が設定した広告が表示される仕組みです。


リスティング広告は明確なニーズをもって検索するユーザーをターゲットとしているため、自社の商品やサービスにマッチした正確なターゲティングが可能であることが特徴です。
また、CMなどマス広告と比較して低予算からでも運用できます。ただし、リスティング広告は他の種類と比較して歴史が長く参入企業が多く競合性が高いため、狙うキーワードによってはクリック単価が高額になる可能性もあるため、日々の調整業務が重要になり、広告運用者の腕が試されます。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトやメディアに設けられている広告枠に掲載できる広告です。画像はもちろん、動画も掲載できます。


多くのユーザーに対して広告が配信されるので、商品やサービスを認知度拡大の場合におすすめです。ただし、商品やサービスの購入につながる可能性が低いのがデメリットといえるでしょう。
SNS広告
SNS広告は、FacebookやInstagram、Twitterなど、SNSを利用するユーザーに向けて配信する広告です。ディスプレイ広告同様、画像・動画両方を掲載することができます。


SNSは非常に拡散力が高く、商品やサービスを幅広い層に認知させることができます。
また、InstagramやTwitterは利用率が高い10〜20代の若年層、または女性へのターゲティングが強いことが特徴です。Facebookは30~50代のビジネスパーソンの利用率が高く、BtoB系の商材の広告で活用されることが多いです。
動画広告
動画広告は、YouTubeやTikTokのような動画配信サービスで利用されている広告です。YouTubeであれば動画の前後に流れる広告動画がそれにあたります。


動画なので、視覚と聴覚の聴覚の両方に訴えかけることでユーザーの記憶に残りやすくなり、商品やサービスの魅力を十分に伝えることが可能です。
ただし、予算が少なかったり編集テクニックが乏しかったりすると、動画のクオリティが低く、思った以上の効果が得られないこともあるので注意しましょう。



Web広告運用者として仕事する上で必要な3つのスキル
Web広告運用者として仕事する上で必要なスキルは以下の3つです。
- ライティング・クリエイティブスキル
- データの分析スキル
- コミュニケーションスキル
順番に解説します。
ライティング・クリエイティブスキル
Web広告によっては、広告文やバナー・動画を作成する必要があります。
広告文やバナー・動画だけでクリック率やコンバージョン率なども大きく変化するので、ユーザーの興味を惹きつけるようなライティングスキルやクリエイティブスキルを習得しておきましょう。
なお、画像や動画の制作を自分で行えるに越したことはありませんが、必須ではありません。デザイナーに作成してもらうにあたって、どのようなクリエイティブが必要になるかを的確に指示できるだけのスキルが必要になります。
データの分析スキル
Web広告運用は、広告を配信することが目的ではありません。Web広告における効果を最大限に発揮させて成果につなげることが目的です。
そのためにもWeb広告運用者はデータを分析するスキルが必要不可欠となります。
コミュニケーションスキル
Web広告運用者は、クライアントや自社が掲げる目標をいかに達成できるかがポイントとなってきます。
そのためには、信頼関係を構築することが何よりも大切です。
「なぜこのような施策を実行するのか」、「予算設定を見直す理由はなぜか」など、一つ一つの行動に対してわかりやすく、クライアントや上司を納得させられるようなコミュニケーションスキルを磨いておきましょう。



Web広告運用の仕事は今後も需要が高まる
本記事では、Web広告運用者が実際に行っている仕事内容やWeb広告運用において必要なスキルなどを解説しました。
Web広告運用者は企画作成やデータ分析・レポーティングなど、業務内容が幅広くあります。そのため、ライティング・クリエイティブスキルやデータの分析スキルが必要です。
しかし、Web広告運用者の需要はこの先も高まることが予想されるので、今回の記事を参考に、Web広告運用の仕事を検討してみてはいかがでしょうか。